代表メッセージ

地球温暖化と大規模な気候変動の危機の解決は、私たち人類の活動が環境と共生しえない水準に達したことから発生している多様な問題の中でも、最も重要な課題の1つとなっています。本研究は、科学技術振興機構・社会技術研究開発センターの研究開発領域「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」(領域代表 堀尾正靱)のカテゴリー1の中の研究プロジェクトとして行っています。この領域では、産業経済から人々の生活習慣にまで広く深く浸透し、きわめて整備された法制度や各種の許認可制度、税制など社会システムとの関係において、現場目線から問題を検討し、その担い手づくりを含めて、エネルギー自給能力のある地域づくりに取り組むといったことを重要な課題としています。

本研究では、温暖化対策を、新技術の開発や導入のレベルだけでとらえるのではなく、産業革命以来の近代化の流れの中の、とくにこの50〜60年間の、大きな社会変化の中でとらえます。具体的には、すでに3000万枚以上発行されている交通ICカードによる情報システムと輸送効率の高い鉄道・バスなどを利用するシステムを組み合わせることにより、従来のガソリン車を使った旅行に比べて、モーダルシフトや電気自動車の導入促進に加え、地域での省エネルギー活動と環境重視の観光事業により2020年に30%、2050年に80%CO2削減可能なエコサービスモデルを提案し、削減量の理論的な裏づけと、参加率、関心度などを分析・評価し具体的な施策として提言を行います。また、都市居住者が旅行先で参加できるエコサービスをICカードで提供するモデルとの連携も検討しています。この研究プロジェクトがきかけとなって、箱根・小田原地区が環境観光先進地域として国内外に知られ、さまざまな産民学官の努力でCO2削減を達成しようとしているモデル地区となることを目指しています。

東京農工大学専門職大学院技術経営研究科 研究科長
亀山 秀雄

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