
『地域からのエコツーリズム』等の著者で、観光・交流による持続的な地域づくりをテーマに研究されている敷田麻実先生にご講演をいただいた。1990年代後半から日本でもエコツーリズムが盛んになり、最近になってエコツーリズム推進法も施行された。では、エコツーリズム、エコツアーとは何か?敷田先生監修の図書の中では、エコツーリズムとは、「環境保全、観光振興、地域振興の同時実現という理念を持って生まれた新しい観光」であり、エコツアー(自然環境に配慮しながら体験・学習する旅行)を生み出す仕組みや考え方を指すと定義している。
本講演の中でも、地域の視点からエコツーリズムをいかに推進していくかのプロセス、また、エコツーリズムの優れた特性を生かして地域振興を行うにはどうすればよいのかを詳しく解説いただいた。観光という日常から離れた時間の中で環境に配慮し、それが地域を活性化する力を持つ。エコツーリズムは今後さらに大きな魅力を持つ観光の形になると感じた。

今回は、JTB高知尾様から「自転車と観光の連携」について講演をいただいた。現在、環境と観光と健康というキーワードのもと、「エコバイク旅チャリ」という電動アシスト自転車に点検と保険を付けたパッケージ商品の推進を’08年12月から行っている。この事業の背景は、環境温暖化への対策と環境保全に加えて、観光を通した地域活性化にある。ニーズは広く、自治体、観光協会、ホテル、レンタサイクル会社、NPO法人等へのリースを行っている。
旅チャリには(1)旅先での行動範囲が広がる、(2)点検・保険がパッケージ化されているので安心、(3)二酸化炭素を出さないので環境に優しい等のメリットがある。また、自転車は産業廃棄物であり廃棄には5,000円程度(東京)かかるが、本事業には回収後の完全リサイクルも含まれており、より環境に優しく観光を楽しむことができる。
司会:東京農工大学大学院 工学府技術経営研究科(MOT) 研究科長 亀山秀雄
パネラー:村上政司氏、崎田裕子氏、山形与志樹氏、野地英昭氏
