今回は、経営学の専門家である早稲田大学の根来先生に基調講演をしていただいた。「葉っぱビジネス」で知られる徳島県上勝町における地域興しの成功事例や、最近話題のEV(電気自動車)普及課題についてなど、地域主体の環境ビジネスを成功に導く考え方を、具体例を交えながら紹介していただいた。
社会に大きな影響を与えている環境ビジネスの多くは、環境保護とのバランスを図りながらもやはり「利益」を追求している。つまり、持続的な発展のためには「環境」というビジネス分野においても主体側の儲けが必要となるというのが根来先生の考え。
箱根・小田原地区に訪れた顧客が消費を楽しみ、満足し、それが地域の利益になり、またそれ自身が環境保護につながる。このような持続発展可能な環境ビジネスの構築が必要であり、資源に恵まれる箱根・小田原地区にはこのようなチャンスがまだまだ眠っている。

東京電力株式会社小早川智明様には、温泉熱利用による旅館・ホテルの省エネ事例をご紹介いただいた。
富士火山帯に属する箱根・小田原地区は、他の地域と比べて温泉熱が多く附存しており、「地の恵み」のある特有な地域である。この温泉水に含まれる未利用の自然熱は、ヒートポンプという省エネ機器を用いることで、エネルギーの地産地消と低炭素化を同時に達成する真にサステイナブルなエコ観光地を実現する可能性を秘めている。
地域特性を活かした低炭素化社会の達成をコンセプトとしたまちづくりは、国内外からも注目度が高く、観光産業の活性化につながることも期待できる。
「地の恵み」を活かすことは、世界に誇るエコ観光地に向けての第一歩である。
横浜野菜推進委員会にて事務局長を務める路野奈津子様からは、神奈川県における地産地消の成功事例とその取り組みについてお話をいただいた。当委員会では、料理教室を通して新鮮な地場野菜の普及活動を行っており、講座は「簡単エコ料理」や「親子で挑戦!シェフと作る野菜のごちそう」など、大人も子供も楽しく野菜料理を学びながら地域の野菜の良さに気付ける工夫がなされている。
地場野菜を用いたこのような活動は地域でも大盛況であり、全国を代表する環境に優しい地産地消の場として活動を進めている。
パネラー:根来龍之教授、小早川智明氏、路野奈津子氏、鈴木悌介氏、金野祥治氏
司会:東京農工大学大学院 工学府技術経営研究科(MOT) 研究科長 亀山秀雄
